皆様、こんにちは!
DIY解放区のぼんたでございます。
本日は、エアポンプ(ブクブク)についてご紹介します。
前半でエアポンプの役割・使い方を、後半で市販商品のご紹介をしていきます。
エアポンプ(ブクブク)の意外と知られていない役割
エアポンプ、通称ブクブク。
釣りをする人にはお馴染みですよね。空気を水中に混ぜ込むことで、釣った魚を一時的に生かすことができる機器です。
釣りのような一時使用に加えて、水槽での飼育にも欠かせない存在となっております。
まずは、初心者の方が水槽立ち上げ時に陥りやすいエアポンプの間違った使い方からご紹介します。
正しく使わないと「毒の水槽」になってしまうことがあります。
毒の水槽とは?
毒と聞くと物騒ですが、以下のような経験をお持ちの方って結構多いのではないでしょうか?
① 金魚すくい等で魚を持ち帰ってくる。
② 前日に汲み置きした水とエアポンプでお出迎え。
そして、悲劇が….!!!
魚のおしっこ(尿)は、毒です。
魚も生き物なので、水槽内で尿をします。
そして、その尿は水槽内に残ります。人間のようにトイレでどこか別の環境に流してしまうことができません。
厄介なことに、この尿は毒素を含んでおります。蓄積すると、毒はどんどん濃くなり、毒の水槽となってしまうのです。
尿の分解には「バクテリア」が必要。
蓄積すると怖い毒ですが、自然界ではバクテリア(微生物)の働きによってすぐに分解されます。
特別な現象でもなく、バクテリアも食事のために分解しているだけです。
じゃあ、バクテリアってどこで手に入れるの?
バクテリアは海・川・湖沼など自然界の水ならばどこにでもいます。
ただし、塩素たっぷりの水道水では生きられません。
人間生活をする上で、塩素の恩恵は大きいですが、バクテリアにとっては脅威そのものなのです。
そこで、塩素の脅威をくぐり抜けてバクテリアを増殖させる方法をご紹介しましょう。
バクテリアの増殖方法
まず、水道水を水槽に汲みます。ブクブクスイッチオン。
汲んだ直後0日目は、塩素たっぷりなのでバクテリアが入り込む余地はありません。
しかし、2〜3日放置していると塩素が抜けて、バクテリアが増殖できるようになります。
そこに、川から水を汲んできて注ぎ込みます。
川の水には常在バクテリアが豊富に含まれており、バクテリア水槽の立ち上がりが早くなります。
※川や池の水が入手できない場合、エアポンプをブクブクさせ続けるだけでもOKです。
そのまま1ヶ月、ブクブクを稼働させるとバクテリアが増殖して環境の整った水槽が完成します。
バクテリアも呼吸をしているので、エアポンプの電源は途中で切ってはいけません。
バクテリアが豊富な状態になれば、魚を水槽に入れて尿をしてもすぐに毒素が分解されるので、長生きすることができるようになります。
泥吐き目的の魚はこれら不要。
上記のバクテリア環境の構築は、魚の長期飼育を目的とする時に実施します。
釣った魚やテナガエビを泥吐きさせて1週間くらいで食べる場合は、水槽の水を毎日入れ替えてブクブクしておけばOKです。
特に、テナガエビは塩素耐性が強いのでカルキ抜きも一切必要ありません。
それでは、次にエアポンプの種類についてご紹介していきます。
エアポンプの種類
エアポンプの種類は大きく分けると、乾電池式と100Vコンセント式の2種類があります。
乾電池式のエアポンプ
乾電池式のエアポンプは、何といっても持ち運びができることがメリット。釣りや生き物採集には必需品ですね。
弱点は、乾電池なので電池残量が無くなると動かなくなってしまう点です。
稼働時間の把握や予備の乾電池は必ず用意して置きましょう。
価格は500〜5000円と性能によってピンキリです。
500円の激安エアポンプの欠点
ワタクシも、釣り初心者の時は500円の特価品を永らく使っておりました。
激安品を使っていた理由は単純です。
・安いから。
その頃、ワタクシは「エアポンプなんて安いので十分。空気を送り込むだけなんだし、5000円のものなんてボッタクリだろう」という確固たる想いがありました。
胴突き仕掛のメバル釣りにハマっていたワタクシ、シラサエビ(スジエビ)を釣具屋で購入して、ブクブクで活かして釣り場に持って行っておりました。
↑クーラーボックスを改造して、DIY自作する猛者もおります。
市販のブクブクセットを使っていて、特にパワー不足も感じず楽しんでいたのですが、不具合はひんぱんに起きておりました。
いつの間にか止まっている→エビ全滅
これは強烈です。長い距離を歩いてたどり着いた釣り場で、購入した生き餌が死んでいた時ほど悲しいものはありません。
結果、メバルの釣果は激減。シラサエビがたくさん余ってしまうので、海に撒いたり自宅でかき揚げにして食べました。
防水機構がなく、すぐ壊れる。
これもよく起きる現象でした。
上の「いつの間にか止まっている」の要因も、この浸水による影響が含まれていたと思います。
いずれにせよ、止まる=活き餌の全滅を意味しているので、悲しい結果しか生みません。
とにかく駆動音がうるさい
もうめちゃくちゃうるさいです。
音にするとビビビビビビビビという騒音がずーっと鳴り続けるので、釣りの最中に電源を切りたくなります。(でも、切るとテナガエビが全滅してしまう。)
徐々に近づいてくる上位モデル買替の気配
なんだかんだよく釣りに行くうちに、3年ほどで5〜6個以上は激安エアポンプが壊れました。その度に、シエラエビ全滅・ブクブク再購入の繰り返し。
さすがにこれだけ壊れると、上位モデルが気になってきます。「うーん、でも4000円もするのか。どうしよう。」
そんな折、貧乏症のワタクシに決意の時がやってきました。
アオリイカのヤエン釣り
アオリイカを活き餌(小アジ)で狙うヤエン釣りというジャンルに出会ってしまったのです。
ヤエン釣りの記事はこちらをどうぞ。
この釣りで使用する活き餌(小アジやイワシ)は20匹以上。いつものシラサエビに比較すると、とても賑やかです。
堤防で小アジをたくさん釣り、アオリイカ釣り場ポイントまで移動させている最中、悲劇は起こりました。
エアポンプは動いてるのに、アジが全滅している!!!!
原因は、酸欠でした。アジの数に対して、激安エアポンプの酸素供給が圧倒的に不足していたのです。
亡くなったアジは、唐揚げと南蛮漬けにして食べました。そして、決意して買ったのが以下の製品です。
ハピソン製エアーポンプ YH-735B を購入
・単1電池×2本で駆動
・電池寿命25時間(強)/75時間(弱)
・送風量1.3L(強)/0.6L(弱)
購入のポイントは、やはり送風量です。
単1電池が2本必要なモデルですが、その分性能がUPしております。
※1 ハピソンは、ナショナルの釣具屋部門を事業継承したメーカーです。これまで培われてきたナショナルの技術をそのまま受け継いでいるので、安心感があります。
※2 高性能携帯エアポンプは、ハピソンと富士灯器が2大メーカーです。
YH-735B の使用レビュー
バッチリ強力です。アジが30匹までは弱、30匹〜は強で使用しております。
ケースの内側に防水ゴムが付いており、通常使用なら海水が侵入してきません。
但し、潮風を受ける場所での電池交換は、手早く済ませるようにします。
激安のブクブクより明らかに長く持ちます。弱だと75時間、強でも25時間という省エネ設計。体感ですが、激安エアポンプの3倍くらい電池もちが良いです。
安物エアポンプと比べて雲泥の差です。静かなので釣りの最中も落ち着きます。あと、車で仮眠する時も許容範囲の音量です。
5年以上使っておりますが、止まった回数0です。釣り場で困ることがありません。
ミクロ泡が出るセラミックストーンが同梱されております。
キメ細かい泡で溶存酸素がUPするので、活き餌がずっと元気でいてくれます。
とまあ、良いことばかり書いているように見えますが、全てにおいて激安品の弱点をカバーできております。
※現在、記事紹介のYH-715Bは廃盤で、新モデルYH-715Cに受け継がれております。
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お値段が高いのがネックですが、安物ブクブクの度重なる活き餌全滅・故障経験から、本当に早く買っておけばよかった商品です。
追加購入の小型モデル ハピソン製 YH-707B
先に購入した小アジ用エアーポンプに加えて、「アオリイカを自宅まで活かして持ち帰って超新鮮に食べたい」という欲求に駆られ、ハピソン製をもう1台購入してしまいました。
ケチるなら、釣れたアオリイカを活き餌アジのバッカンに同棲させればエアポンプ1台で済みます。
しかし、バッカン内が墨だらけでアジが何匹いるか見えなくなる現象に悩まされて、もう1台購入となったのです。
小型モデルながらも高性能です。
かわいらしいコロッとした外観が気に入っております。
さすがハピソン製。上位機種譲りで、随所に防水へのこだわりがあります。
電池は単1電池1本で動きます。
メーカー公称65時間!というだけあって、かなり長持ちする印象があります。
上位モデルの弱(0.6L)にも満たない数値ですが、送風量0.45Lながらも安定して送風しているので、アジを20匹位入れても全然大丈夫です。
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YH-707Bが、上位モデルYH-735Bと比較して劣っている点
まぁ、価格が違うので比較しても仕方がないのですが購入を検討されている方に向けて、ワタクシ個人的に感じた「劣っている点」を挙げます。
①吐出量の切り替え機構がない。→値段相応なので、許容範囲内です。
②送風量0.45Lなのに、上位モデルの0.6L(弱)より音量が大きい。→設計の差?
③泡ストーンが、セラミックタイプでなく、茶色の安物ストーン。→泡のキメが粗くて酸素の溶けが悪いような気がします。(泡ストーンの交換で解決可能。後述。)
ミドルクラスの機種 YH-708B
本記事ではエントリーモデルのYH-707Bと、上位モデルのYH-735Bを紹介しておりますが、その中間に位置するモデル、YH-708Bがあります。
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特徴は、
・単1電池×2本
・送風量1.0L(強)55時間/0.45L(弱)150時間
・泡ストーンは安物タイプ
と、見事に中間スペックとなっております。エアーポンプ購入の際、ご検討下さい。
エアポンプの便利アイテム① 2又分岐コック
実は、エアポンプ2台購入後に、便利アイテムを発見して、買いました。
「2又分岐コック」というアイテムです。
これを買えば、パワーのあるエアーポンプなら2つのバッカンにエアーを分けて送れることができるのです。
もう小型エアポンプ買っちゃった後なのですが・・がびーん。
↑水槽メーカーのニッソーやJEXから2又分岐コックが販売中。
エア量も絞れるので大変便利ですが、真鍮製なので海で使用後に放置すると腐食します。
帰宅したら真水で洗う様にしましょう。
次に、自宅用の100Vコンセント式のご紹介です。
100V式のエアポンプ
100V式は、電池切れの心配がないので抜群の安心感があります。
また、100V式は自宅での使用を考慮して静音性や機能面・パワーで充実しております。
価格も乾電池式より安いものが多く、1000〜3000円でとても良いものが購入できます。
釣りで持ち帰ってきたうなぎやテナガエビの泥抜き、次回釣行までの活き餌確保など幅広く活躍しれるので、外出用に乾電池式、自宅用に100V式を各1台ずつ持っておきましょう。
100V式エアポンプに求められる性能
先述した乾電池式エアポンプと違い、100Vエアポンプは24時間365日つけっぱなしにする製品です。
それゆえに、100V式エアポンプの選び方は「静音性能」を最優先しましょう。
過去に水槽をやっていた方も、「エアポンプの騒音がうるさくて止めてしまった」という方が大勢おられるくらい、ずーっと動きっぱなしの100V式エアポンプは重要な機器です。
ワタクシ、ホームセンターで静音モデルと表示されているJEX社や中華製の100V式エアポンプに手を出して、夜うるさすぎて水槽を移設した経験があります。
今どき、隣の部屋でもうるさいくらいの製品がある中で、水心シリーズは超静音と言い切れる秀逸な製品です。
水心シリーズの駆動音が静かな理由
これは、メーカーの水作がこだわりぬいた内部設計と、水作自社開発の渾身の機能「振動吸収脚ゴム」のおかげです。
底面が汚くてすみません。このゴム足が水心シリーズの静音の要となっております。
激安エアポンプにありがちな「ビビビビビビビ!」という騒音がなく、耳を近づけて初めて「ブゥーーン」と聞こえる程度の極静音に仕上がっております。
この高性能なエアポンプがなんと1000~3000円で買えるので、よくわからずにちょっと安いメーカー製を買って遠回りするより、最初から水心シリーズを買う方が断然良いと断言できます。
水作 水心SSPP-7S(エア量固定式)
こちらは、エントリーモデルの水心SSPP-7S。
「静かさと力強さの両立にこだわって開発された国内最高峰のエアポンプ」と謳われており、静音性能はピカイチです。
解放時の送風量は2000cc/分と表記されていますが、水深25cmだと1000cc/分と落ちております。この辺りを正直に公表しているところが好印象に感じます。水槽サイズは45cmクラスに対応しております。
エア量を調整する機能はありませんが、別売りのコックを取り付けすることでエア量を絞ることが可能になります。
一方コック。コックの角度でエア量を調整できます。
水作 水心SSPP-3S(エア量調整式)
こちらは、先述のSSPP-7Sの上位機種です。
SSPP-7Sと比較して、最大の違いはエア量を自由に調節できるダイヤルが採用されている点です。
もともと静かな駆動音ですが、エア量を必要最小限まで絞ると、ほぼ無音状態になります。
解放時送風量2,500cc(水深25cm時1,500cc)/分、対応水槽サイズも60cmとパワフルなので、上述の2股分岐コックを使うことで2つの水槽同時にエア供給も可能です。
エアポンプの便利アイテム②
ここまでエアポンプ本体を中心に説明してきましたが、水中への空気供給は、泡ストーンの選定もとても重要なポイントです。
同じ空気供給量でも、泡ストーン次第で泡のキメ細かさが全然違ってきます。
ワタクシが使用したことがあり、良かった!と思えるのが、ハピソンの上位機種に付属のセラミックストーンと、いぶき社のセラミックストーンです。
いぶき社のエアーストーンは水槽業界なら知らない人がいないくらい有名なメーカー製です。とにかく泡が細かいことで有名。泡がシュワワワワワと心地よいミクロ泡で放出されます。
※セラミックストーンは、きめ細かい泡を出すことができますが、エアポンプの送風量が少なすぎるとエアーが出ない場合があります。本体・ストーンの両方セット交換を検討しましょう。
ハピソンの上位モデル(本体)を買うと付属します。
いぶきのエアストーンはキメ細かさでド定番。種類もたくさんあるので用途・好みで選べるのですが、多すぎて悩みます。
価格も数百円~3000円とありますので、予算に応じて検討しましょう。
また、メーカーは0.6L以下の送風量ではエアが出ない場合があると謳っておりますが、0.45Lのエアポンプでもエアレーションできました。激安エアポンプの時はエアーが出たりでなかったりです。
本日の記事は、ここまでです。
最後までお付き合い頂き、ありがとうございました。
ここまでエアポンプへの想いを長々とご紹介させていただきましたが、いかがでしたでしょうか?最近ではUSB充電モデルも発売されているので、また機会があればご紹介します。
エアポンプは空気を送るだけの機能しかありませんが、魚の命を維持するとても重要な機器です。本日の記事を参考に、誰かのエアポンプ観が少し変わればいいなと思います。
他にもいろいろ記事書いております。
宜しければお立ち寄り下さい。