皆様、こんにちは!
DIY解放区のぼんたでございます。
最近、朝晩が冷え込むようになってきたこともあり、いよいよ本格的に燻製の季節がやってきたなーと感じております。
燻製は、使用する燻製チップによって出来上がる燻製品が大きく変化するのも奥深さの一つですよね。燻製やってるよ~!っていう読者の皆さまは、どんなチップがお気に入りでしょうか?
さて、ワタクシはサクラの燻製チップ(市販品)を使用しております。
サクラの燻製チップは王道の万能チップで、出来上がる燻製品はきれいな飴色で、とても良い香りがします。
500gとかの徳用サイズだとたっぷり入って安いので、昔から好んで愛用しております。
しかし、そんなある日・・・。
「身近な木材をサクラチップの代用にできないかな?」というアイデアが、突如として芽生えてきたのです。
こうなると、「もしかしたら、燻製チップって自分で作れるかも。」とか「DIYしてみようかな。」となるのは自然の流れですね。
そこで本日は、市販の燻製チップを使わずに「身近な木材 3種」を代用品として、燻製づくりにチャレンジしてみようと思います。
身近な木材3種による燻製づくり
代用品チップの原料ですが、再現性を高める為にどこでも入手しやすいものにします。
苦労して手に入れる材料だと、もう一度作りたい時に材料が再調達できないケースがあるためです。
今回は、ワタクシ的に身近な材料として
① 割りばし
② SPF材(ツーバイフォー等)
③ 稲わら
の3種で試してみることにしました。
※ ③ の稲わらは、近所のおっちゃんが簡単にくれるためエントリーしております。読者のみなさまも、身近に入手できる材料で燻製をお試し下さい。
それでは、おのおの材料のご紹介です。
割りばしの加工
どこでも簡単に入手できる 木材といえば、やはり「割りばし」ですね。
コンビニ・100均など、ありとあらゆるところで調達できますし、何より安いです。
割りばしを燻製チップに使うメリット
・入手が簡単。
・安い。
・加工がしやすい。
・香り → これから検証。
といった具合ですね。
割り箸の加工は、とっても簡単。ペンチで適当な大きさにバッキバキに潰していくだけです。
今回、ラジオペンチで開始しましたが、2膳ほど潰したところで指が疲れてきたので、途中から大きなペンチに変更しております。
お箸4膳で、燻製1回分のチップがとれました。
小さいチップだけでなく、大きいチップも混ぜてみました。理由は、大きいチップだと手早く作れるので、次回再チャレンジするときに時短になるかも!という想いからです。
続いて、2つ目の材料です。
SPF材(ツーバイフォー等)の加工
こちらも、割り箸同様に、ホームセンターに行けば必ず手に入れる事ができます。
SPF材とは、松やモミの木などを原料とした針葉樹由来の木材で、加工のしやすさから建築やDIYでなどで幅広く活用されております。
余談ですが、よく世間一般的に言われる『ツーバイフォー(2 ✕ 4)』とは、2 = 38mm、4 = 89mm の規格サイズの木材のことです。
地道にカッターナイフで削る方法だと、ちょっと大変です。
そこで、今回は電動丸のこで5mm厚ほどにカットしし、その後ペンチなどで細かく砕きました。
もしやと思い、手でも折れるか試したところ、簡単に折ることができました。
ツーバイ材は、割り箸よりもさらに大き目に砕きました。
稲わらの加工
このような稲わらが手に入る時点で、ワタクシが田舎に住んでいる感丸だしですが、ノンノンノン。稲わらは、結構都会でも田んぼさえあれば手に入ります。
田んぼやってるおっちゃんに「ちょっとだけ稲わら分けて貰えませんか?」といえば、大概OKしてくれます。
但し、こちらはカツオタタキ藁焼き用のごく少量でいいのに、軽トラに乗せるようなとてつもない量を渡そうとしてくれるおっちゃんもいるので、ご注意ください。
稲わらは、ハサミなどを使って小さく刻むだけでOKです。
・・・改めて思いますが、稲わらって燻製チップとして成立するのでしょうか?土佐の藁焼きカツオタタキのように大変化してくれることを祈ることにします。
ここまでで、手作り燻製チップが全て出揃いました。↓に3種+市販のサクラチップを比較写真で載せておきます。
あとは、今回の燻製の条件についてお話しておきます。
3種の燻製チップの比較条件
今回の実験では、3種の代用チップをできる限り同条件で比較評価するため、以下の内容で条件を揃えます。
食材
・切れてるチーズ(ナチュラル)
・皮付きあらびきウインナー
↑ どこでも入手できる食材ですし、事前乾燥処理も不要で、とてもおすすめの燻製素材です。
燻製温度 / 時間 の設定
自作の燻製器にサーモセンサーを搭載しているので、庫内温度を自由に設定できます。
・ 溶けやすいチーズに合わせて、庫内上部温度を45〜50度に指定します。
・ 燻製時間は、60分とします。
お手製チップで、燻製スタート!
さて、同一条件で燻製をしていきます。今回は、割り箸 → SPF材 → 稲わら の順で実施。1つのチップが60分かかるので、今回の比較実験(3種)だと3時間かかります。
とはいえ、チップを入れてスイッチをONにしたら、あとは放置で温度制御してくれるので、とてものんびりと過ごして待つことができます。
(稲わらは燃焼具合が全く読めないので、万が一の発炎に備えて近くで待機。)
そうこうしているうちに、どんどん時間が経過して燻製が出来上がってまいりました。
燻製、完了!
お手製燻製チップで出来上がった燻製品。
温度設定を低めにしたおかげで、見た目は、全て合格点です。デロデロに溶けることなく出来上がりました。
それでは、気になる風味を試食して確かめていきます。
割り箸
割り箸チップで作ったチーズは、今回3種の中で最も色映えが良く出来上がりました。固さも外側が適度にパリッと仕上がり、中はムチッとした出来栄え。
気になる風味ですが、香ばしさはしっかりしているものの、鼻を抜けるような奥行き感が足りないように感じました。普段から常用している「サクラ」に比べると劣っている感が否めません。
ウインナーは、温度が低かったせいか燻製の恩恵を全く感じることができませんでした。
燻製後、大きなチップは燃焼しておりませんでした。7割程消費。
もうちょっと小さく砕いた方がよかったみたいです。
食感★★★★★(パリ・ムチの王道が楽しめる)
風味★★★☆☆(香りの広がりは狭い)
万人向き度★★★★★(苦手な人は少ないと思う)
総評:見た目・食感は良いけど、ちょっと風味が物足りず。市販のスモークチーズよりは優秀です。自作するなら更に薫り高い燻製品を目指したいです。
SPF材(ツーバイフォー等)
SPF材で作ったチーズですが、過去の薫液が金網に残って黒ずんで見栄えが悪かったので、オモテ面のみ撮影しております。
まず食感ですが、かなり控えめでこれといった特徴がありません。水分が飛んでシナッとなっただけのような感じです。
次いで、風味は割り箸よりもさらに控えめ。芳醇な香ばしさを感じることができません。後味はすっきりとしていて、鼻の奥にわずかに清涼感が抜けます。これは針葉樹の特徴でしょうか。
ウインナーは、割り箸同様「燻製したっけ?」というぐらい変化がありませんでした。
ツーバイ材はチップが大きすぎたのか、煙の出が少なかったです。5割消費。もっと細かく砕く必要がありました。
食感★★☆☆☆(しなっているだけ。外にパリ感が欲しい)
風味★★☆☆☆(チーズとの相性も悪く感じる)
万人向き度★★☆☆☆(これは人におすすめできない)
総評:大失敗。くんせい時間を伸ばしても、あまり良い燻製品にはならなそうです。次回作ってみようとは思いません。
稲わら
稲わらは、ある意味今回のダークホース的存在。
どっちに転ぶか全く想像がつきませんでしたが、くんせいの色付きは綺麗な飴色でいい感じです。
食感は、外は薄皮で軽くパリッ、中はムッチリとした独特の食感に仕上がっております。
但し、食感・外観とは裏はらに、風味は、香ばしさに欠け、ただただ煙くさいという結果に・・・。そこにさらに苦みが加わっております。
ウインナーは、意外にもプリッとジューシー感が大増量しておいしくなっておりました。これ、高温で燻製したらもっとおいしいだろうなと思います。
食感★★★★☆(人によってはドンピシャかも)
風味★☆☆☆☆(煙くさいだけ。正直、むっちゃまずい。)
万人向き度★☆☆☆☆(ほぼ間違いなくまずいと言われる)
総評:期待度が高かっただけに、カウンターパンチをくらいました。やはり、稲わらは豪快な直火向きです。
以上、忖度なしのガチンコ評価となりました。
風味の感じ方・好みは、個人差がとても大きいので、あくまでご参考程度にお考えください。
まとめ
どれが一番とか、個人的に独断で結果発表します。
殿堂入り : サクラ(市販品)
一位 割り箸
二位 SPF材(ツーバイ)
三位 稲わら
こんだけ実験やっといて、結局実験に参加してやいサクラチップ(市販品)が殿堂入りかーい!って具合なんですけど、今回の3種内だけで比較すると『 割り箸 』がバランスが取れていて高評価となりました。
SPF材(ツーバイ)も、もっと細かく砕いていたら煙発生がちゃんとしていたはずなので、改善点も見つかりました。
思いつきでチャレンジした燻製代用チップ実験でしたが、個人的にむっちゃ楽しむことができました。
今回は大当たりに出会うことができませんでしたが、これをきっかけに、新たな燻製チップとの出会いに期待が膨らんでおります。
もしかしたらまた大失敗するかもしれませんが、色々チャレンジしてみようと思います。
本日の記事はここまでです。お付き合いいただき、ありがとうございました。
燻製器の自作方法については、こちらの記事をご覧ください。
デジタル温温度コントロール
↑温度制御に必須の機器。電気コンロと組み合わせることで、お好みの温度範囲で燻製が可能となります。
現時点で、殿堂入りの燻製チップ『 サクラ 』。