皆様、こんにちは!
DIY解放区のぼんたでございます。
今年は、例年より梅雨入りがだいぶ早く訪れておりますね。その影響なのか、近所の川でウナギ釣り師をちらほら見かけるようになってきました。
ウナギは、夜間活発に捕食活動をしますが、昼間は巣穴でジッと隠れています。
そこで本日は、巣穴に潜むウナギの習性を利用してウナギをゲットする漁具『竹筒』について、特徴や作り方などをご紹介させていただきます。
竹筒使用上のルール
竹筒は、釣りというより漁として扱われるケースがほとんどなので、明確なルールが存在する場合がほとんどです。
そのルールは全国統一ではなく、都道府県自治体や漁協によって異なります。
遊漁券を購入すればOKだったり、竹筒漁自体がNGだったりさまざまです。
釣行する河川のルールについては、「内水面漁業調整規則」とか「遊漁規則」という用語で検索すれば掲載されていることが多いので、必ず事前に確認しておきましょう。
(例)京都府 → 内水面漁業調整規則
(例)京都府の漁協 → 各漁協のHP・遊漁規則
尚、HPを出していない漁業協同組合も多いので、遊漁券の有無があやふやな時は直接電話して聞くのが確実です。違反すると罰金・密漁者扱いとなりますので、遊漁券が必要な河川なら必ず買って携行しましょう。
竹筒漁のメリットとデメリット
ウナギを採る事に特化した竹筒漁は、とてもマニアック。このブログにお越しの方の大半もきっと未体験の領域だと思います。
ここで、竹筒漁の全体的なイメージをメリット・デメリットに分けてお話しします。
竹筒漁のメリット
・ワクワク感が半端ない。
ワクワク感・・・!!
これが竹筒漁最大の醍醐味です。竹筒を設置している期間は、「この瞬間にウナギが採れているかも」というワクワク感が、常に頭の中を占領します。
仕事や通勤が大変であっても「今晩はウナギ採れてるかな〜?」っていう高揚感があるのです。まぁ、竹筒という小さな不動産を所有している感覚ですね。
・いつでも回収できる。(後述 : 暗い時間帯推奨)
ずーっと漬けっぱなしの竹筒漁は、ウナギの置き針釣り以上に気楽です。夕方仕込んで早朝回収などのせわしなさもありません。
そのため、普段忙しいサラリーマンの方でも「仕事帰りにウナギが竹筒入ってるか確認して行くか」なんて夢の様なサイクルも可能です。
竹筒漁のデメリット・注意点
・大雨による増水・濁流に警戒
竹筒は水の底に設置する特性上、大雨による河川の増水で流されるリスクがあります。
重くしたりして固定力を上げるのも一つですが、河川の増水による影響を受けにくい箇所に設置するのが最良策です。
大雨が降った際にTVで、「川の様子を見に行った方が流されて行方不明」という方がいますが、あれは竹筒を保護・回収に行ったウナギ師ではないかと踏んでおります。安全第一で楽しみましょう。
・他人のイタズラ
ウナギ竹筒漁で避けて通れないのが、他人のイタズラです。
漁師さんのように船でしか行けないポイントに竹筒を仕込むのと違い、アマチュア竹筒師は陸地に近い箇所に竹筒を仕込み、係留ロープを張ります。
その為、他の釣り人が発見して陸揚げしてしまうケースが少なからずあるのです。善意の釣り人なら陸揚げしても水中に戻してくれますが、悪意ある人だと竹筒をパクる場合もあります。(両方、経験しました。)
対策としては、
・釣り人が少ないポイントを探す。(頭上に樹が茂っていてキャストしにくい所が有効)
・竹筒の外装をカモフラージュ色に塗装。
・ロープも目立ちにくい色にする。
などの方法があります。他人による水揚げを100%防ぐことはできませんが、努力次第でほぼ防ぐことは可能なので、試行錯誤して防衛しましょう。
先ほど「いつでも回収できる」と述べましたが、正確には「暗い時間帯」がおすすめです。ヘッドライトが要りますが、他の釣り人や一般通行人に水揚げの瞬間を見られる確率がグッと下がるので、ワタクシはそうしております。
『竹筒』の作り方
それでは、本記事のメイン内容となる竹筒の作り方をお話ししていきます。以下の様な道具・材料を用意しましょう。
使用する竹筒は、長さ80cm、内径5〜8cmを目安に調達しましょう。
特に重要なのが竹の太さです。竹筒の内径が細いと、肥えたウナギが入らないのでNGです。
竹の長さ調整・採寸
本記事では、片方が開放型でもう片方は半密閉型(通水用の小穴)の竹筒をご紹介します。
まず、節の近く(外側)を切断。その後メジャーで80cm測り、そこを切断という順で切り分けます。
80cmというのは、あくまで自分なりに決めている目安です。たまにですが70cmオーバーの大型ウナギが竹筒に入り込む事があるため、80cm前後で切り分けするのがベストだと考えております。
切り分けが終わったら、次は竹の内部にある節を金属棒などでガンガン破壊します。
↓の状態はまだまだスタート状態。節は徹底的に破りましょう。
うなぎに心地良く入ってもらうために、内面が滑らかになるよう根気よく丁寧に仕上げましょう。
節をまんまるに破れたら、出入口付近もヤスリで軽く削ってバリを取り除きます。その際にインパクトドライバー+砥石ビットがあると、作業が楽になります。
裏側の節にドリル加工
ウナギが出入りする表側の加工が出来たら、裏側の節をインパクトドライバー+ドリルビットで穴あけしていきます。
この穴は、竹筒を水揚げする際に筒内の水を排水するためのものです。
穴の大きさに決まりはありませんが、大口径のドリルでいきなり穴あけすると竹が派手に割れることがあるのでご注意下さい。小さな穴でたくさん開ける方が無難です。
竹筒のあぶり加工(カモフラージュ目的)
竹の穴あけ・バリ取り加工が出来たら、次は竹をトーチバーナーで炙り(あぶり)ます。
竹は、バーナーで炙る事で水中で目立ちにくい黒っぽい色に変色(カモフラージュ)させることができます。他人によるイタズラの予防が必要な場合は実施しましょう。竹筒の使用場所がマイナーポイントの場合、この作業は省略してもOKです。
なお、竹を炙っている際に端っこが割れたりすることがありますが、使用上大きな支障はありません。
竹を炙ることによる注意点として、炙った後の竹は蓄熱して10〜20分は熱いのでヤケドにご注意ください。
さて、竹が冷めたら次はオモリを装着する作業なのですが、少し脱線して竹筒の浮力についてお話ししておきます。
竹筒の浮力について
乾燥している竹筒、実は浮力が非常に大きいので、そのまま水に漬けてもプカプカ浮かんでしまいます。
その為、何らかの手段で水底に沈むように工夫する必要があります。
手段① オモリを抱かせる、または乗せて強制的に沈める。
最も手っ取り早い手段が、浮力以上の重さで沈めてしまう方法です。
石や金属を竹にくくりつけたり、浅い場所なら単に石を載せれば竹を沈める事ができます。
手段② 竹を数ヶ月水に漬けておく。
プロ漁師の方が採用している方法が、竹を数ヶ月間水に漬けて浮力を取り去る方法です。
苔も生えてごく自然な状態に馴染むので、ウナギも入りやすいのだとか。でも、自宅には竹筒を漬け込むスペースも無いですし、現実的ではないので自分は試したことがありません。
そこで、敷居が低い『手段①強制的に沈める』の鉄筋を取り付けする方法を紹介します。
鉄筋の取り付け
オモリ役の鉄筋を取り付けするには結束バンドが簡単でおすすめです。竹と鉄筋を縛る長さを確保するため、30cm以上の結束バンドを使用しましょう。
鉄筋の数は、竹の浮力や川の流れの強弱に応じて調整します。今回はD10という太さ10mmの鉄筋65cmを3本装着しました。
鉄筋の入手方法
鉄筋はホームセンターで購入が可能ですが、カットはセルフで!というところが多いです。
鉄筋は、4mで251円(税込。ロイヤルホームセンターにて購入。)と安いので、竹筒のオモリ材料として非常に優秀です。
ロープの取り付け
先に取り付けした結束バンドを足掛かりにして、ロープを取り付けします。
ロープ紐の素材について
竹筒は一旦仕掛けたら、ずっと水底で濡れっぱなしです。過去に麻ひも・綿などの天然素材を使っていたら、腐食が原因で引き上げ途中にブチッと切れて苦い想いをしました。対策としては、ナイロン・ポリエステルなどの化学素材のロープを使うのが良いです。
ロープ紐の色は、比較的目立ちにくい『黒・こげ茶・グレー』あたりを推奨します。蛍光色など目立つ色だと、他人に発見されてイタズラ被害に遭いやすくなるのでご注意を。
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ウナギ用竹筒の完成!
センターに手繰り寄せ用のロープを装着して、ウナギ用竹筒の完成です!
↑竹筒の写真、左側のあぶり無し・右側のあぶり有りでかなり外観に違いがあります。あぶり無しの竹筒は水中でけっこう目立つので、岩陰に隠すか石を乗せてカモフラージュするなどの対策を採りましょう。
竹筒を使ったうなぎ捕獲で使用する道具類
最後に、竹筒に関連する道具類をご紹介しておきましょう。
・ヘッドライト
竹筒を昼間に引き揚げする際は不要ですが、昼間はウナギの存在を他人に見られるリスクがあります。場荒れを防ぐ為には、人目の少ない夜間にヘッドライト持参で水揚げするのがおすすめです。
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・手袋
ウナギの表皮はヌルヌルして素手で掴むのは大変です。軍手・ゴム手袋何でも良いので持参しましょう。
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・ビニール袋
採れたウナギを入れる為にビニール袋を何枚か用意しておきましょう。ウナギ一匹につき、必ず1枚必要です。少し大きめのスーパーの袋が適任です。
・うなぎ網(あれば)
採れたウナギを竹筒から取り出す際に、ウナギ専用の網があると大変便利です。網の深さが大きく、一度網に入れてしまえばウナギがなかなか出られないシロモノです。普通の深さの網ではウナギが逃げるので代用できません。
ワタクシも以前持っていて重宝していたのですが、紛失してしまいその後はスーパーの袋で何とか頑張ってます。ウナギ網は専用品なので、釣具店店頭ではなかなか売っておりません。
・虫よけ(霧吹きタイプ)
夏場の夜は蚊との格闘ですが、虫除けがあれば、安心してウナギ採りが楽しめます。刺されにくくするポイントは、腕だけでなく、足のくるぶしや耳にも軽く振りかけることです。
虫よけは、ミストタイプがむせにくいで、おすすめです。
ガス缶スプレータイプで毎回むせてお困りの方は、ぜひ一度ミストタイプをお試しください。
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本日は、『ウナギ竹筒の特徴・作り方』というかなりニッチな内容をご紹介させていただきましたが、いかがでしたでしょうか?
皆様ルールを守って、自作の竹筒でウナギ採りをお楽しみ頂ければ幸いです!